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客数の記録を3ヶ月続けるための工夫
閉店後の15秒を習慣にする

記録が大事なのは分かっている。でも2週間で止まる。止まるのは意志が弱いからではなく、置き場所とタイミングの設計の問題です。3ヶ月続けるための工夫を、書けなかった日の扱いまで含めてまとめました。

木のテーブルに置かれた手書きのメニュー表を、スマートフォンで撮影している手元

「客数を毎日メモしておくといい」。これはよく言われることですし、実際そのとおりです。ただ、言われたとおりにやってみて、2週間で止まった経験のある方は多いのではないでしょうか。

止まる理由は、はっきりしています。閉店後の自分は、朝の自分より疲れているからです。始めるときの自分は元気なので、続けられる前提でしくみを作ってしまう。そこにズレがあります。

この記事では、根性ではなく段取りで続ける方法をまとめます。記録の付け方そのものは仕込み量の決め方の記事に書いたので、ここでは「どうやって3ヶ月もたせるか」だけを扱います。

なぜ「3ヶ月」なのか

1ヶ月でも意味はありますが、3ヶ月には別の価値があります。理由は単純で、同じ条件の日が何回たまるかが変わるからです。

火曜の記録が何回たまるか 1ヶ月 = 約4回 / 3ヶ月 = 約13回
仮に3日に1日は雨か雪だとすると、雨の火曜は 1ヶ月 = 1回あるかどうか / 3ヶ月 = 4回前後

1回きりのデータでは、それが「雨のせい」なのか「たまたま」なのか分かりません。4回あれば、少なくとも傾向としては見えてきます。3ヶ月は、天気の影響を語れるようになる最短ラインだと考えてください。

続けた期間で、読めることが変わる

1ヶ月 曜日ごとの土台 2ヶ月 ばらつきの幅 3ヶ月 天気の効き方 まず1ヶ月。そこから先は、同じことの繰り返しです
1ヶ月で止めても、曜日の土台は手に入ります。無駄にはなりません。ただ、雨や暑さの話をしたいなら3ヶ月は欲しいところです。

工夫1|書く場所を、必ず通る場所に置く

ノートを事務所の引き出しにしまうと、まず続きません。取りに行く動作が挟まった時点で負けます。

置くなら、閉店後に必ず手が触れる場所です。レジの横、伝票立ての隣、勝手口の内側。開いた状態でペンを挟んでおけば、なお良いです。

置き場所の目安

工夫2|項目は4つまで。1行で終わらせる

続かない記録には共通点があります。項目が多いことです。売上、客単価、天気、気温、予約数、キャンセル……と欄を作ると、書くのが仕事になります。

必要なのは4つだけです。日付と曜日、客数、天気、ひとこと。これで1行です。

1行だけの記録フォーマット

日付・曜日 客数 天気 ひとこと 9/5 金 38 隣で工事 9/6 土 44 天気は「晴・曇・雨・雪」の4つで十分。ひとことは無ければ空欄
罫線を引いた市販のノートで構いません。表を自作すると、その準備で力尽きることがあります。

この形なら、慣れれば本当に15秒で終わります。3ヶ月ぶんを足しても、たいした時間ではありません。

1日 15秒 × 90日 = 1,350秒 = 約22分
3ヶ月かけて、合計で22分。1日あたりでは、レジ締めの待ち時間で終わります。

工夫3|すでにある動作に、くっつける

新しい習慣を単独で作るのは大変です。すでに毎日やっていることの直後にくっつけると、格段に楽になります。

おすすめは、レジ締めの直後です。どのみち数字を見ている最中なので、客数もその場で分かります。「レジを締めたら、そのまま1行書く」とセットにしてしまってください。

どれでも構いませんが、1つに決めて変えないことが大事です。日によって場所とタイミングが変わると、それは習慣ではなくその日の判断になり、疲れた日に飛びます。

工夫4|書けなかった日の逃げ道を、先に決めておく

居酒屋のカウンターに積まれた市場の納品書の束と、そばに置かれたボールペン
書けない日は必ず来ます。来る前提で決めておくと、そこで途切れません。

記録が止まるいちばん多いきっかけは、1日飛ばしてしまったことです。1日空くと、翌日「もういいか」となる。ここが最大の分かれ目です。

ですから、始める前に逃げ道を決めておきます。

先に決めておく3つのこと

大事なのは、空欄があっても記録は使えるということです。平均を出すときは、書いてある日だけで足して割ればいいだけです。

90日のうち 72日 書けた(8割)→ 曜日ごとに 10回前後 のデータ
月に6日空欄でも、曜日ごとの平均は十分に出せます

3ヶ月・90日。8割埋まっていれば使える

書けた日 72 書けなかった日 18 全部埋まっていなくていい。ここを目指すと、かえって続きません
完璧を目指すと、1つ穴が空いた時点でやめたくなります。最初から穴があく前提で始めてください。

ただし、ひとつだけ注意があります。忙しい日ばかり書き忘れると、平均が実際より低く出ます。満席で手が回らなかった日こそ書けないので、これは起こりがちです。翌朝に書き足す逃げ道を用意しているのは、そのためでもあります。

工夫5|集計は月に1回でいい

毎日集計しようとすると、記録そのものが重くなります。足して割る作業は、月に1回で十分です。

月末か月初に、30分だけ時間を取ります。曜日ごとに客数を足して、日数で割る。それだけです。雨の日係数を出したいときも、同じ表を横から眺めるだけで済みます。

そして、この月1回が続けるご褒美になります。数字が形になって見えると、翌月も書こうという気になる。逆に言えば、集計を一度もしないまま3ヶ月書き続けるのは、かなりつらい作業です。

3ヶ月たつと、何が変わるか

実際に3ヶ月ぶんの記録がたまると、たいてい次のようなことが起きます。

とくに1つめは、多くの方が驚かれる部分です。記憶は、印象の強い日に引っぱられます。ひどく暇だった1日は覚えていても、そこそこの日が20日あったことは思い出せません。

よくあるつまずき

1. 最初にきれいな表を作ってしまう

準備に力を使い果たすパターンです。市販のノートに手書きで十分です。初日に始められる形かどうかだけを基準にしてください。

2. 売上も一緒に書こうとする

売上は単価に左右されるので、仕込み量の判断には客数の方が直結します。売上はレジに残っています。記録には、レジに残らないものだけを書くと考えると迷いません。

3. 1日抜けたことを気にしすぎる

抜けた日より、そこでやめてしまうことの方がずっと損です。空欄のまま次の行に進んでください。

それでも、続かないときは

夜の厨房で、大鍋の煮込みを木べらで混ぜている居酒屋の店主
閉店後の15秒。短いはずなのに、この15秒がいちばん遠い日があります。

ここまで書いておいて言うのもなんですが、それでも続かないことはあります。忙しさの波が大きい店ほど、そうです。責める話ではありません。

そういう場合は、記録の一部を機械に肩代わりさせるという手があります。天気や地域の行事は、自分で書かなくても外から分かる情報です。人が書く必要があるのは、結局のところ客数だけです。

私たちが作っているコミヨホウは、その考え方でできています。天気や暦の要因は自動で集めて、お店にお願いするのは1日ひとタップだけ。結果は毎夕LINEに1通届きます。

ただ、ノートに1行書くだけでも、3ヶ月たてば確実に見えるものがあります。 まずは今日の閉店後、レジの横にノートを1冊開いて置くところから始めてみてください。

コミヨホウについて

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